白球を追う音の葉

野球音楽オタク横尾渉風味

劇団スカッシュ「Blue」に行ってきた。

私がが散々ステマ(ステルスじゃなくてダイレクト?笑)をしてきた劇団スカッシュ公演「Blue」に行ってきました(7/24昼公演)。

全日程が終了した今ならブログを書いてもいいかなと思い。まずは千秋楽まで、全公演を駆け抜けてきたスカッシュのみなさん、スタッフのみなさんお疲れ様でした。

主宰の竜也さんも書いていたことではあるが、Blueは再演であり、またドラマ版は無償でYouTubeで見ることができる作品である。私も何度も見た。今回は見送りかなと思っていた理由の一つだった。ある程度のストーリーが分かっているから。でも、ストーリーを把握していたことがむしろ良かったのだと思ったことについては、またあとで書くことにする。

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開演1時間半前。

「ふらっと来ちゃったらいいじゃない」という前川さんのツイッターでの言葉を聞いて心が動く。スタッフの方のアカウントをチェックする。どうやら当日券がでる。予定を確認するとたまたま昼公演の時間は空いている。

よし…行こう。これも何かの縁だ。

こういう行き当たりばったりの感じも夏っぽいだろう。

昼食をかきこみ、最寄り駅まで走る。

携帯の電池残量もほとんど無い。モバイルバッテリーはそもそも持っていない。

到着予定は開演の30分前。チケットがどうか残っていますようにと願いながら、いつもより遅く感じる列車に揺られる。正直、可能性は半々だろう。入れなかったら、ただ時間とお金がかかっただけになるが、引き返すつもりだった。それでもよかった。夏だし。

なんとか到着するも、めったに行かない池袋駅で若干迷う。地上に出るのにも一苦労。ちょうど流行り始めたポケモンGO。画面を見ている人の多いこと多いこと。グーグルマップを頼りに歩いていた私も、ポケモンやってると思われただろうか。祐也さんの動画を見て予習してきたのに、人の多さに圧倒されて頭が真っ白になってしまった。

スカッシュグッズを身につけた親子連れの後ろについて、なんとか時間に間に合って会場についた。

なんとなく場違いな黒いハットをかぶりサングラスをかけた私は

「もう当日券ないですか?」

と訊いた。

「まだ当日券ありますか?」

と訊けなかったのは、きっとないと言われたときの予防線を張るためだ。

全然夏っぽくない。梅雨っぽい。

無事に当日券を手に入れたが、開始30分前とあって、買おうかなあと思っていたグッズはもうなかった。凄いな。

チケットを握りしめ、会場に入る。

セットが目に入る。抽象舞台か…?と思ったがよく見ると違った。窓枠がある。きっと、ここは部屋だ。こういう目の付け方をする自分が嫌だな、と思う。

自分の座席を探すが、アルファベットが足りない。「X列」なんてないじゃないか。

スタッフさんに声をかけると、前方と後方のブロックの間の広めの通路に低いパイプ椅子の席があり、そこに案内していただいた。

うん。舞台全体のバランスが見やすく、前方ブロックのお客さんの様子も見えるいい席だ。帽子をはずし、フライヤーに目を通す。夏っぽい。

白い一枚の紙は、始まる前に回収するという。きっと即興で何かやってくれるのだろう。夏っぽいこと。なんか面白いことが書ければよかったのだが、「慣れない浴衣でのデート」これが精一杯だった自分の発想力の乏しさに心から落胆する。無論、選ばれなかった。

待機中には音楽が流れる。いままでのドラマで使ってきた音だ。

「ケモノノミチ」の曲が流れると、自然と会場に優しい笑いが起きる。

「いつもーきみのことーをーかーんがえているよー」

今日ばかりは、この会場にいる皆がスカッシュのことを考えている筈である。

言い忘れていたが、弾丸おひとりさま初スカッシュ観劇だったが、会場に全くアウェー感がなかったことは素晴らしいと思った。みんなただ、スカッシュが、演劇が、あるいは夏が好きでそこにいるだけだった。

竜也さんから注意アナウンスがはいる。

観劇マナーについてだ。それから、笑いの練習。それなんだよって思う人がいてもいいと思うけれど、お客さんが「笑っていいのかな?」と躊躇ってしまうことが一番残念だと私は思うから。これもよかった。

 

暗転する。

 

観衆の目が、心が、ぐっと舞台にいく。

この空気は現場で味わってほしい。空気がスッと変わるのだ。

ABTVの荻野さんの作品であるオープニング映像はとっても素敵だった。似顔絵はとても似ていたし、アニメーションも実写も、全部素敵だった。

エンディングも最高だったということは、言うまでもない。

明転した途端、舞台にいたのは祐也さんだった。この役者さんにぐっと引き寄せられた。これが舞台。私の好きな演劇だ。

感動的なシーンに差し掛かる(これは本当はあまり好きな表現ではないけど)ところで、観客のすすり泣く声があちらこちらから聞こえてきた。今、Blueの世界に入り込んでいる人がたくさんいる。なんて素晴らしい。これが舞台だ。

 

 

 

ドラマ版で話を把握していたことが良かったと思った理由。

ストーリーを追うことだけに集中しなくて済んだからだ。本当は何公演も入ることができたらよかった。でもそれはいろいろあって無理だったから。私にはこの見方しかなかった。

劇場の雰囲気。客席を含めた作品の世界観。舞台上の熱量。照明。音響。セットとのバランス。

全部を見渡しながら、とても観劇を楽しめていた。

変な見方をしているかもしれない。なんだか斜めから見ているかもしれない。でも私は楽しかった。いいんだ、芸術というのはそういうものだから。きっと。

 

さてさて握手会の話。

おじさんとの握手会はとても素敵だった。伝えたいことはたくさんあった。

「ありがとうございます」「演劇やってました」「初めて来ました」「素晴らしかったです」「夏っぽく弾丸で来ました」

でも、上手くは言えなかった。

トップバッターの前川さんは、上から手を出す変わったモーションで握手をしてくれた。

「初めて来ました。とても素敵でした。」

わたしの目の高さまでぐっと下がって、「そうでしたかぁ、ありがとうございます」と表情豊かにお話ししていただいた。

祐也さんにも同じようなことを伝えた。

時間がない中で「楽しめましたか?」と聞いてくださった。彼の優しさに触れた瞬間である。

大地さんはなんと当日がお誕生日だったので「お誕生日おめでとうございます。」と伝えた。「なんかすいませんね〜。」と言っていたのはきっと彼なりの照れ隠しだろう。どさくさに紛れて「大好きです」と言ってしまった声は多分彼には届かなかった。構わない。

竜也さんには演劇人として話したいことがたくさんありすぎて頭が真っ白になった。「ありがとうございました!ありがとうございます!ありがとう!」という謎の感謝Botと化してしまった。後悔している。そして竜也さんのお腹は触らせていただいていない。これも心残りである。

 

大筋の内容としては、ドラマ版と大差はない。いまは非公開になっているけど、また公開された時には見ていない人にも見てほしい。だいたいはわかる。だから、私はストーリーに関することは何も書かない。ドラマ版ではわからないことだけを記録しておいているつもりだ。

余談だが、私は彼らを「YouTuber」だとは思っていない。YouTubeを表現活動の場所としているだけで。言うまでもなく彼らは「劇団員」だ。YouTuber、みたいなレッテルを貼られるのは私は嫌だ。YouTuberがダメと言っているのではないのだが…。
でもそんなことは私が勝手に思っているだけで。「THE SOCIAL PLAYERS 」で描かれていたように、この件についてはいろいろな話があるから、この辺にしておこう。

 

しっちゃかめっちゃかになってきたからそろそろ終わりたい。

生の舞台のエネルギーを強く感じてから、夏嫌いの私なのに帰りの電車で夏縛りでウォークマンを聴いた。

「Summer Breeze」「Summer dream」とか。いろいろ。

すごいよ。夏のパワー。生の演劇のパワー。最高の夏フェスだった。

言いたいことをつらつら書いて申し訳ない。一旦全部消えて、心が折れかけてからもう一度書き直した記事だ。どうか優しく見てほしい。

これからもずっと劇団スカッシュを応援していく。その気持ちだけは確かにあるから。

個人的には、そろそろBeautiful Diverがみたいな。あの退廃的な感じが好きです。あの若さをどう調理するのか、今のスカッシュならどう演じるのか、見てみたい気持ちがあります。

本当に、16公演お疲れ様でした。

 

 ※追記

EGO-WRAPPIN'「サニーサイドメロディー」を聴くと最高にエモい。すべての公演が終わった後だからこそ、いま沁みます。