夢はうたかた

キスマイの音楽の話を好き勝手書いていた場所

金スマ「キスマイ10周年特集」を見た

 

※9月3日放送の金スマのネタバレを含みます

 

キスマイというチームが好きだ。とにかく面白いチームだ。

「面白い」という気持ちは共通しているが、ずっと同じ熱量で見てきたわけじゃない。でも、自分が何をどう面白いと思っているかが変化しているのも面白い。「キスマイ面白い」「横尾さんいいな」と思ってからもうすぐ丸6年になる。距離を取ったり、ぐっと近づいてみたり、いろいろ考えて今、やっぱりキスマイが好きだ。

金スマで2時間、キスマイの特集をするというので珍しくリアタイした。録画もしていたが、なんとなくリアルタイムで見たかった。

出てきた話は知っている話(『裸の時代』で読んだところだ!!)が多かったが、初めて知ることもあった。

「次のデビューはキスマイだね」と言われながら、それでもデビューできなかった時、「組織としてどう勝っていくか」という意識に転換したというキタミツの言葉に痺れた。ミツはいつも未来を見ている。ミツはいつもチームを見ている。分析している。ミツがチームにいるのは、あまりにもつよい。頭の良さに全身が震え上がる。

タウンワークの話は初めて知ったが、私がキタミツだったらアイドルを諦めていたと思う。少なくとも、このチームでの勝ち方を考えてやっていこうとは思えなかったと思う。こうしてみるとどう考えてもリーダーだが、ミツがリーダーという肩書を背負わないのも面白い。

今回特徴的に切り取られていたというのもあるが、みやっちの存在の大きさを再認識した。田組(最近よー出てくるが大好きだ)からのたたき上げ、「自分は3軍から昇格した」というワードに唸った。「なんでこんなチームで」と思っている人がいる中で、腐らずに「ここでがんばろう!」と思っている人がいる。舞祭組が決まった時のことを振り返り、全く動じていなかったことを明かしたときの表情。いい意味で他メンと違う性質を持っているとすれば、ここなのかもしれない。そんなみやっちが今、自分の強みを生かしてどんどんキスマイを外に広げている。やっぱりいいチームだ。

藤ヶ谷さんは顔が小さい。アップになるたびにどうしてこんなに顔が小さいのかと思った…というのは置いておいて。ガヤは20世紀からジャニーズJrだ。(当時)最年長デビューのキタミツの辛さとは別に、ガヤにも苦悩があっただろうなと思う。デビューしてからは「かっこいい人」として引っ張るという意識。近年のおしゃべりでよく笑うガヤが好きだ。たまに「え?」と思うようなギャグを交えながら、ご機嫌でおしゃべりしていてほしい。

今回あまり話題にあがらなかったが、玉は期待に応える力強さがあってすごい。あんなピンクのホットパンツでデビュー、突然センターなんて…。地方大会にメンバー入りして喜んでいたら、突然甲子園で背番号1を背負わされているようなもんだ。それで1を自分のものにした。かっけえなぁ…今後も今みたいなパーマをかけ続けてください…。

千ちゃんも今回そこまでエピソードがあがってこなかったが、名古屋から上京して過ごした数年間を、どんな不安を抱えて過ごしていたのだろう。20歳でのデビューは今考えると決して遅いとは言わないのかもしれないが、10代でデビューするような存在だったと思う。まあ、祥生(JO1)がプデュに出演したとき、「もう19歳なので、最後の挑戦だと思っている」と言っていたので、今もひとつの区切りであることは間違いないだろうが…。感受性豊かで、繊細で、かつ大胆なところが素敵。キスマイを「国民的」アイドルにするのは、たぶん千ちゃんなんだろうなと思う。だって、かわいいじゃん?

タカシは話が出てくるたびに昔は荒れてたんだよなとしか思っていなかったが、今回はその裏にある苦悩や葛藤が見えて、すごくしんどかった。幼いころからジャニーズにいることによって嫌な思いをしたという話も、荒れたくなった気持ちも、なんだか分かるような気がして。キタミツと殴り合う話はやっぱり昭和マンガすぎて笑っちゃうけど、今はぐっとキスマイの中を見ている人になったんだなと思う。そこでまたキスマイに、アイドルに向き合ったところがすごいと思う。続けるってすごい。


こんなに横尾さんの話が地上波に乗ったことありましたっけ?やっぱり横尾さんが好きだと感じた時間。

「兄の代わり」「NEWSに入れない」「キスマイの構想から外れる」「デビューしても格差」というすべてのタイミングで辞められたのに、辞めなかった。そりゃたいすけぴーとの「10年」という約束があったからかもしれないけど、辞めない選択を毎日続けている横尾さんにはありがとうという気持ち。そんな横尾さんを「俯瞰で見られるのは横尾さん」というメンバーもありがとう。

「歌えない」「踊れない」「この世界苦手」なのに、続けるという判断が出来る。横尾さんを10年、続けられるようにした動力は、「いつでも自分は辞められる」という思いなような気もして。

願わくば、やっと「スタートライン」に立った小学5年生のキスマイで、時に俯き、「俺なんて…」といいながらも「辞めない」選択を続けてくれますように。

それでも明日、「俺はもう、」といいそうなところが、どうしてもいいんだよなぁ。

 

重くて厚い扉を開き続けた先に、それぞれの道が広がっていることを示し続けてくれるアイドル。それぞれがその道を進むことに自信を持っているチーム。その道を歩くことが、チームにとって前進することを意味すると知っているチーム。

そんな7人が10年のその先へのスタートとして歌う「A10TION」が沁みた。

彼らのこの先も、また自分のことと向き合いながら、応援していきたいと思った。

 

「うまくいかない」「ついていけない」「この世界向いてない」と思いながら、「いつでもやめられる」と思いながら、「私はもう、」という言葉を飲み込んで、明日も続けるという選択をしていけるように―