この間の記事の番外編その①。
前回の記事はこちらから飛べます↓
gbh-aap.hatenablog.com
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☆はじめに
一人称調査を終えた。実は最初にるつさんの記事を読んだとき、「KAT-TUNよりもキスマイは曲が少ないだろうし、二人称も調べてみたい」と簡単に思った。こんなに苦労すると思わなかったから…
二人称には「君」「あなた」「お前」「あんた」などがある。正確な数を知っているわけではないが、たいていの楽曲では「君」が使用されているのではないだろうか。
試しにロックバンドLUNA SEAの歌詞を見てみる。
V系のイメージが強く怖い感じで「お前」がたくさん出てくるのではないかと思うかもしれないが、ざっと見たところほとんどが「君」か「あなた」だった。
アイドル楽曲となればなおさら「君」がほとんどだろうし、主に「僕」から「君」への曲が多いのではないかと予想する。そんな中で「お前」という二人称が出てくる曲はオラオラ系のギラギラソングなのではないだろうか?
ちらっと調べてみたがKAT-TUNには「お前」の曲が何曲かあったのだし。
前回の記事で「俺」楽曲がそんなに多くなかったことが分かったキスマイだが、二人称は一体どうなっているだろうか?
まとまりは悪いかもしれないが、ゆっくり見ていただけると嬉しい。
ルールは前回と同じ。
【ルール】
- 対象は2016年11月段階で音源化されている曲。Kis-My-Ft2名義のアルバムまたはシングルに収録されていることが条件。(例:『Kis-My-Zero2』収録の千年のLovesongは含むが2009プレゾン収録の「オ・シャ・レ」は含まない。)1曲につきカウントは1回。複数のCDに収録されている楽曲は発売された時期の早いCDに所属。
- Overtureは除く。
- バージョン違いはカウントしない。(例:「アイノビート」は通常、アルバムバージョン、ロックバージョン、ダンスバージョンがあるが4曲ではなく1曲としてカウント。)
- ソロ・ユニット曲は含まない。
- 原則歌詞は「歌ネット」を参考にする。
- RAP詞のみに出てくる場合は区別する。
☆全体を見る
何度も考えた末、先に全体を通して見えてきた結果から書くこととする。
なんとKis-My-Ft2名義のCD収録曲109曲中、二人称は「君」が84曲「あなた」が1曲、なしが24曲。「お前」は存在すらしなかった。前回同様、英詞は判断材料に入れていない。
「お前」の数を数えるのが目的だったのに、ここでキスマイ名義の曲には二人称「お前」が存在していないという結果になってしまった…。
(表の左側は曲数、右側はその年のリリース数に対する占有率)
全体で約77%が君楽曲である。
二人称「君」の曲に関しては基本的に一人称から二人称「君」へ歌う曲が多くみられた。
そのためここからは特に二人称「なし」に着目して個別に見ていきたい。ちなみに一人称なし二人称君の曲は、一人称を省略しているだけで一人称僕(俺)の曲と同じという印象。
こちらは、二人称「なし」楽曲の推移である。
2012年から「なし」曲がだんだん減少し、2014、2015年には1割強くらいまで減る。
しかし、2016年は「なし」が多かった。
☆個別に見る
【デビュー前】
アルバム『Kis-My-Zero1』『Kis-My-Zero2』『Kis-My-Zero3』『HIT!HIT!HIT!』
君13曲・なし6曲/全19曲
この間の記事を読んでいただけた方はお分かりかもしれないが、キスマイは「デビュー前はチャラチャラオラオラ」系だったというイメージが強いものの、実は俺楽曲は多くないという結果だった。とはいえ少し存在した一人称「俺」に対して二人称「お前」なんてのが出てきてもいい気がするのだけど、冒頭でも書いた通り、残念ながら出てこない。
こうして曲を見てみると、二人称が「君」である曲というのはほとんど冒頭で予想した通り「僕(俺)」から「君」への歌であるように感じる。
青で色を付けたところを見ていただきたい。一人称はさまざまだが「二人称がない」曲だ。私は、個人的な感覚でこのように分類してみた。
①二人称省略
今回は一人称複数と単数を区別していないため、一人称のなかに二人称が入っている時、つまり「僕ら」「僕たち」の中に「君」も含まれているという場合がある。単純に二人称の省略という場合があると思うが、解釈の問題になりそうなのでここは分けません!!!
⇒二人称「君」がある曲と一緒
②僕(俺)はこういう気持ちだ!VS世界(VS自分)
適切な表現が見つからず困っている。何が言いたいかというと、特定の誰かに向かって何かを伝えているのではなく、自分の決意表明のような意味合いをもつようなものだと。一人称は複数でも構わない。「自分自身」などの言葉が出てくることが多い。
⇒ギラギラ感が出ることが多い
③その他
ということでここからは、②に分類される曲が多ければ「ギラギラでオラオラなキスマイ」のイメージに合致するような曲が多いと考えていく。(解釈の問題になってくる部分があるので、ふーん程度でお願いします)
「Endless road」「Brand New Season」は①、②は「海賊」「FIRE BEAT」かなと。曲調はさわやかだが「TRY AGAIN」も②に入るのではないか。「テンション」。これは一人称も二人称も出てこない曲で判断が微妙だが②に分類する。
余談だが、一人称僕二人称君の「Kis-My-Calling!!」は分類するならば②にあたりそう。僕から君へのメッセージというより自己紹介ソングだと思っているのでどこに入るかといえば②だと思う。カウントはしないが。
【2011年】
シングル『Everybody Go』『We never give up!』
君6曲・なし1曲/全7曲
一人称も二人称省略でない俺/君楽曲であるはずの「Everybody Go」だが、②っぽい。というのも、この「君」って特定の人という感じには見えなくて。基本的には歌い手である彼らが「この時代のチャンピオン」を目指す壮大なギラギラソングだと思っている。「この時代」が待っている「チャンピオン」は「君」かもよ?とドキっとするわけだ。だからこの「君」ってのは特定の誰かではないような気が。カウントはしないけど。
全然関係ないけれど、デビュー曲で「誤解されやすいけど 俺たちもバカじゃないんだよ」なキスマイと「悪いけど賢くはないさ」と歌うKAT-TUNが面白い。
二人称なし
「We never give up!」こそ②にふさわしい曲だと思う…なんとなくつかめてきただろうかこのギラギラ感。
キスマイのデビューから1枚目2枚目のシングル、こうしてみると「ギラギラ」感が出ている感じがするな。
【2012年】
シングル『SHE!HER!HER!』『WANNA BEEEE!!!/Shake It Up』『アイノビート』
アルバム『Kis-My-1st』
君10曲・なし4曲/14曲
二人称なし
「タビダチノウタ」「Summer Lover」は二人称省略の①。
「Take over」は②。ギラギラしてるよね~~~~!!!!!No.1を奪ってやるって感じのギラギラ感いいなぁ。「WANNA BEEEE!!!」も②だ。
【2013年】
シングル『My Resistance-タシカナモノ-/運命Girl』『キ・ス・ウ・マ・イ~KISS YOUR MIND~/S.O.S(Smile On Smile)』『キミとのキセキ』『SNOW DOMEの約束/Luv Sick』
アルバム『Goodいくぜ!』
DVD『YOSHIO-new member-』
君16曲・なし3曲/19曲
「Black&White」は英詞が多く、参考にしにくいのだが「負けたくない 自分にだけは」から判断して②。
「タナゴコロ」は②だ。全然ギラギラ感はないけども、誰かに向けて歌った曲というよりも自分(たち)の決意表明に近いかなと「敵は自分自身の中にある」し。
「モテたいぜ トゥナイト」も②だろう。「モテてやる!」の決意表明。
【2014年】
シングル『光のシグナル』『Another Future』『Thank youじゃん!』
アルバム『Kis-My-Journey』
君15曲・なし2曲/17曲
「君」曲が一番多かった年で、ちなみに一人称調査ではこの年「俺」楽曲が1曲になった。
二人称なし
「Striker」は文句無しの②だが、「アゲてくぜ!」は…②かなあ。ここまで見てわかったのは、一人称も二人称もない曲は判断しづらいということだ。「素敵なあの子」との交流を心待ちにしている感じだし、誰かに向けた曲ではなさそうだ。
【2015年】
シングル『Kiss魂』『AAO』『最後もやっぱり君』
アルバム『KIS-MY-WORLD』
君15曲・あなた1曲・なし2曲/18曲
実は「AAO」のラップ部分が「アナタ」曲であることにぎりぎりになって気づき、「キスマイの曲の二人称は全部「君」」と言い切れないことに。気付いてよかった。
二人称なし
「Brand New World」も「Halley」も①曲に分類。
【2016年】
シングル『Gravity』『Sha la la☆Su
mmer Time』
アルバム『I SCREAM』
君10曲・なし6曲/16曲
「Crystal sky」は②で。「Yes! ISCREAM」も②でしょう。
「Summer Breeze」「I Scream Night」「Sha la la☆Summer Time」は①曲に。
「PSYCHO」は③。これは分類できなかった。英詞が多いのと、一人称二人称ともにないというのが判断しにくい要因に。挑発的な歌詞が多いので、ギラギラ感が出そうな曲だっただけに残念だ。
☆まとめ
(1)一人称二人称の組み合わせ別にみる
オレンジで色を付けた部分は「一人称俺二人称なし」の曲である。
【デビュー前】「FIRE BEAT」「海賊」
【2011年】「We never give up!」
【2012年】「Take over」
【2014年】「Striker」
すべて上では②に分類された曲で、メロディーもすごくカッコいい曲だ。
⇒一人称俺二人称なしの曲はギラギラ感がある(5/5,100%)
緑で色を付けた部分は「一人称なし二人称なし」の曲。
【デビュー前】「テンション」
【2012年】「WANNA BEEE!!!」「Summer Lover」
【2013年】「Black&White」
【2014年】「アゲてくぜ!」
【2015年】「Brand New World」
【2016年】「YES! ISCREAM」「Summer Breeze」「PSYCHO」
⇒一人称二人称「なし」曲だけを見てもギラギラ感はわからない(4/9,44.4%)
ついでに「一人称僕二人称なし」
【デビュー前】「Endless Road」「TRY AGAIN」「Brand New Season」
【2012年】「タビダチノウタ」
【2013年】「タナゴコロ」「モテたいぜ トゥナイト」
【2015年】「Halley」
【2016年】「Crystal Sky」「I Scream Night」「Sha la la☆Summer Time」
⇒一人称僕二人称「なし」の曲を見てもギラギラ感はわからない(4/10,40.0%)
結論:「一人称俺二人称なし」の曲は100%ギラギラ感のある曲だが、その他の組み合わせではギラギラ感のある曲だと言い切れない。二人称「お前」があればギラギラ系に区分されそうだが、キスマイの曲にはない。
(2)年別の全体の曲数に対する①②の割合をグラフでみる
①の曲は「僕から君への曲と同じ」②の曲を「オラオラ、ギラギラ系」と分類した。
③に関しては2016年「PSYCHO」1曲のみだったので省略。
2015年までを見ていただきたい。
青い線の①楽曲についてはあまり意味のないグラフになっている。
二人称アリの「君」楽曲と同じ意味を持つと解釈したからには①だけで区別する必要もないからである。
注目すべきは赤い線の②楽曲だ。
デビュー前~2015年までにかけて、だんだんその割合が減少しているのがわかるだろう。前回の一人称調査の時に書いたことだが、キスマイの曲は2013年を境にだんだん「俺」曲よりも「僕」曲が多くなっている。
今回の結果と合わせてみると「お前」が出てこないキスマイで間違いなくオラオラ系の曲になる条件としては「一人称俺二人称なし」という条件があげられる。
こうなってくると2015年に近づくにつれてだんだん②の曲が減っていることにも頷けるのではないだろうか。
問題は2016年だ。極端に「なし」の曲が多かったため、グラフが今までとちょっと違う。①②ともにきつい角度で右上にあがっている。
2017年以降キスマイがどんな曲を作り、どんな方向性になっていくかによってこの2016年がキスマイの曲史の中でどんな意味を持つかが明らかになってくるだろう。としか今は言えないのだろうな…。
結論:デビュー前から2015年にかけてだんだんギラギラ系の曲が減少している。2016年は「なし」曲が多いので2015年までとは傾向が異なる。
☆最後に
非常に難しかった今回の二人称調査であるが、デビュー前も含めて「お前」曲がなかったのは驚きだった。ほとんどが「君」のため基本的に二人称だけで判断することは困難だった。個人的な解釈の問題にかかわってしまうのが個人的に残念だった。
やっぱり2016年のアルバムはちょっと異質だったのかなと思う。
また、やはりこれを終えた後も来年からのキスマイがどんな曲を作っていくつもりなのか、気になるのであった。
今年が終わる前に滑り込めてよかったですおしまい!
続き↓
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