夢はうたかた

キスマイの音楽の話を好き勝手書いていた場所

こんな時だから前を向きたい―Kis-My-Ft2『To-y2』を聴く

 

皆様お久しぶりです。こんな状況ですが、逆にこんな時だからこそ気持ちを切り替える練習をしたいなと思っている毎日です。

こんな閉塞感たっぷりの日々でも前を向いて頑張ろうというエネルギーをくれるCDということで…(?)、Kis-My-Ft2の最新アルバム『To-y2(トイズ)』を聴きました。しかしこのタイトル、初見で読むのはなかなかの難度。わかってても一回頭の中で「とーよー…トイズ」って言い直してる。

いやいや、こんな時にアイドルのアルバムって…ってちょっと疑ってる??いやほんとです。CD聴く気力もなくて、数日放置してたんですけど、再生してみたら曲が進むごとに元気になった!!!私は「カッコイイ曲」「強い曲」「ゴリゴリな曲」「暗い曲」が好きなんで、「ポップで前向きで明るいアルバム」という印象の今作はあんまり…って感じだったんですが、これは今こそ聴くべきアルバムだと感じました。こんな時だからこそ、前を向きたいな!

"9th"Overture

"7th"Overtureを思い出すような感じ。こどもが英語でしゃべってます。たくさんのプレゼントを開けてみると…いろいろなテイストの音楽が出てくるよ~~~みたいな感じ。そうです、このアルバムのコンセプトは「おもちゃ箱」。いろいろなおもちゃ=音楽を詰め込んだアルバムなんです!このアルバムの曲をチラ見せしてくれるまさに「序曲」。

To Yours

アルバムリード曲。春~夏の雰囲気漂う明るい爽やかな曲。SHINeeなら「Boys meet U」枠(異論は認めます)。それからもしこの曲を別のキスマイのアルバムに入れるなら、「I SCREAM」かな。そういう爽やかさがあります。

このアルバムは、「7人全員が一曲は歌いだしを担当する」ことになっているそうです。歌いだしは玉森くん。最初は「明るいなぁ」と思っていましたけど、音楽番組とかで耳にする機会が増えていくうちに、「明るくていいじゃん」に変わってました。前向きで元気をくれて、横に寄り添ってくれる曲を歌うのって、アイドルの素敵な所のひとつだって思います。「僕らの未来は 可能性で満ちている」って、誰かに言ってほしかった言葉かもしれない。

りあらぶ

サビのパワーワード・「三次元な恋をしようよ」…三次元マスクのタイアップ曲です。マスク不足の世の中だからでしょうが、CM見なくなっちゃいましたね。ただ、これはいい曲の予感。「MU-CHU-DE恋している」以来のアップテンポかわいいアイドルソングとの再来という感じでこれは大変よろしいです。入りがサビという王道J-POPというのもいいよね。そして「3.6.5」ばりの展開の激しい曲。後半の横→宮→千のラップがいい感じです。サビの「揺らしていこうよ↗」の音が上がるところが好き。こういう音の上がり方が大好きなんです。

HANDS UP

シングル曲。特に言及してなかったけど、この曲好きなんです。やっぱりレーベルエイべならこういうサウンドは欲しいよねって感じ。サビのズンズンくる重低音がダンスミュージック。Aメロが秀逸なんですよ~~~。そしてサビのがっちゃがっちゃ。この曲は千賀くんのパートがいいのはもちろん、宮田くんの甘くて伸びやかなパートも目立っています。今までのカップリングっぽい歌割りなんですよね。

Cannonball

このアルバムの""強い""曲枠はこれかな?と思わせておいて、後ろでずっと流れるサンバホイッスルみたいな音にじわじわ。歌いだしは藤ヶ谷くんです。なんだかこの曲はキスマイ初期っぽい。1stとか2ndに収録されていそうな曲調。サビできゃんきゃん言っているのがちょっと面白い。案外サビは明るくて、意外性もたっぷりです。

Letting Go

これめちゃくちゃアイドル曲っぽくない。ミディアムテンポのトレンドを抑えたバラード曲という感じ。今までの曲で言うと「Flamingo」(5th)「One Kiss」(6th)あたりの枠かなと思うけど、もっともっと大人な感じ。ニカラップと千ちゃんの伸びやかな声が輝く大人曲。これは学生の話じゃないし、アラサーのキスマイだからこそ歌いこなせる曲な気がしたよ。こういう曲を披露できる場が、ライブ以外でもあるといいな。あとなんか前奏がAbemaTVの恋リアのテーマ曲っぽい(伝わらない)。歌いだしは玉森くん(大正解)。

Positive Man

どんだけ最初に詞を詰め込むのか心配になったけど大丈夫でした。ただし、これはカラオケで歌ったらつらい気持ちになるやつなので大人しくキスマイの歌唱を聴くことにします。「生きてるだけで人生はパラダイス」の領域にはやくたどり着きたい…!!!!!!レゲエ調。閉塞感たっぷり先の見えない日常のなかでもこれを聴けば「ポジティブマインド」になれそう。歌いだしは俺たちの宮田ニキ。作詞はTEEさんです。

MAHARAJA

一度聴けばあなたも「MAHARAJA」の虜です。歌いだしはマハラジャ…いや横尾さんです。これはラジオで聴いていたのですが、最初に聴いたときに「ガチでマハラジャの歌をもってくんのかいwww」と笑った。「俺の名はマハラジャ」と歌うインド音楽です。ただサビで突然「毎日がパラダイス!!!!!!」「人生はバラ色!!!!」って明るいバカ状態になります。同じアホなら踊らにゃ損損!!!!!のマインドです。…という夢オチで最後は現実に戻されますが、無理やりにでも元気になります。

Be alright

うわーー!!!らしくない!!!!(笑)

これは関ジャニ∞です。スカパラとのコラボ曲ですよね?…違いました。今までキスマイの曲にありそうでなかった。こういうテイストの曲すごく珍しい。キスマイの音楽の広さっていう意味ではほとんど出切ったと思ってたけど、まだまだ幅があるんだなぁ。とっても元気が出ます!これは元気のでるアルバムですわ。

My Place

東京インテリアタイアップ曲。すごく温かいバラード。キスマイ×東京インテリアの今までの流れの中に合う感じのテイスト。何を隠そう、わたくしこういうバラードの二階堂さんの歌声に弱いんですけど、相変わらずの最高ボイスが聴けます。シンプルなメロディーゆえに、7人の歌声が一層優しく、まろやかに響き渡る曲です。

Edge of Days

シングル曲。この曲の北山くんの歌い方の大ファン。リズムもめっちゃ難しいよなぁ。やっぱりこういう、「黒と赤の卍キスマイ卍」みたいなのが好きです…!!!!!!!!!!主題歌だったということで、北山くん主演のドラマ・ミリオンジョーを思い出します。「賭した」とか「贖う」とか、ワードチョイスが好きです。「何もかも~」からの音が好き。

Make you mine

強い曲枠はこれでした。ザ・キスマイのオラオラソングです。

やっぱりこういう曲調はカッコよくて痺れる!!!久々の「俺」曲なのも最高です。ニカラップ信者の私も歓喜。声質が唯一無二なんですよ、二階堂さんは!!!!!カッコいい!!作詞作曲陣も本当にありがとうございますというメンバー。

Sometime...

ほおおぉぉ…キスマイがこんな感じの曲を出してくるなんて……。なんていうんですかね?こういうの、JazzyなHip-Hopというんでしょうか。さすがにサビは明るい感じでアイドル曲であることは揺るがないんだけど、大人っぽいの出してきたなぁ。雨の日の夜、静かなカフェって感じ。喫茶店じゃなくて、カフェというのがアイドルのさわやかさを残している感覚なんです…。大人の別れ話ですね。これを歌っているのは、キスブサで「だから、好きじゃないから別れるっつってんじゃん!」って水をかけられていた宮田くんでも、「慣れが発生してるっていうか…」って言ってた横尾さんでもないです―――。

memento

藤ヶ谷くんのドラマ主題歌です。もちろん歌いだしは藤ヶ谷くん。キスマイが歌うこういうバラード、ちゃんと重たくて好きです。なんていうか、一緒にいる未来を見るからこその痛みがあるバラードというか…。決してきれいごとじゃないけど、幸せな日々です。。。

COUNT 7EVEN

はい好き。はい大好き。こういうショータイム!!!!みたいな曲が大好きなんですよ!!!!わたしがもしピアノがうまかったら弾きたかった。上松大先生の作品です。劇場版・アニメ「Kis-My-Ft2」主題歌で大丈夫です?

「7 EVEN」7人がイーブン、という意味を込めているというお話を聞いて感涙。もうイーブンになったよね…。面白くてカッコイイ7人組のことが好きなんだよって言いたい。イチオシは北宮パートと、もちろん7からのカウントです。

Smilest

歌いだしは玉ちゃん。こんなにストレートに、「笑ってよ」って言われたら、笑って過ごしたいなって思う。「嘆くのは簡単で 笑うのは困難だ いいことばかりじゃないから」と歌うけど、それでも「笑っていて」。

[Bonus Tracks] 種

とっても驚きました。キスマイがシークレットトラックを…!Nコンの課題曲のようなコーラスが涙腺に来る。今回、この混乱の中、きちんと「卒業」できなかった全ての人に贈りたい優しい曲でした。挑み続けたい。

#NO! NO!(玉森&二階堂ユニット)

ドファンク。Earth,Wind&Fireっぽい。B型の2人によるB型あるあるソングです。楽しい曲です。やっぱりサビは「たいぴーっぽいよね」に聞こえる(本当は「Type Bっぽいよね」)。人間を4つにわけるなんて無理、なんてことは分かりながらも私はB型にずっと憧れを持っていたので、なんかいいなぁって思っちゃいます。

バクテリア(北山&藤ヶ谷ユニット)

なんて曲を歌ってくれちゃってるんですか!!!!というとにかくすごい歌詞。メロディーラインがすごい好きです。とても現代的でシティ派なオシャレメロディーですよ。藤北はすごく特別な存在だし、歌詞もエロいんですが、それだけで終わるにはもったいないくらい曲がいいです。「耳元で~」の当たりなんて最高。SHIROSEさんありがとう……。

王国の蝶(横尾&千賀ユニット)

「プレバト!」俳句特待生コンビが、夏井いつき先生の「蝶」の句だけで歌う曲です。なんだこの素晴らしい曲…。「飛ぶのは痛い 飛ぶのは痛い 蝶の羽」というところが大好きです。やっぱり言葉の響きの美しさと、その句を理解しながら歌っているだろう2人と、この曲の詞として句を使わせてくれたなっちゃん先生の心意気と、すべてに感謝しています。

運命(宮田&玉森ユニット)

「BE LOVE」「星に願いを」に続く宮玉三部作、これにて完結。作曲は上松先生です。「BE LOVE」で結婚、「星に願いを」で訪れる嫁の死、そして「運命」という激重。

玉森くんを失った宮田くんは、一人で過ごす日々の中で、ある日、ハメを外して夜の街へ…。「永遠よりもずっと長く」(前作『星に願いを』より)なんて言ってたのは誰??と玉森くん(亡霊?)に絞られ、出てきたセリフは「君に似ていたから…」(ここまで一息)。なんだこれ!!!!!!バッドエンドかよ!!!!!!!ライブではどんな演出になるんでしょうか…怖いような…楽しみなような…玉森&宮田先生の次回作にご期待ください…。

 

とまあ、大変ボリューミーなアルバムでした。本当に「おもちゃ箱」というテーマ通り、いろいろなテイストの曲が詰まったアルバムでした。キスマイって曲がいいよねと言い続けてきたところがあるんですが、今作もいい曲がたくさんありました。もう9枚目のアルバムなのにこんなに新しい音楽的一面を出してくれる。まだまだ、これからもたくさんの素敵な曲と出会うことができそうで楽しみです。

少しずつ、前を向いて頑張りたい、そんな気持ちになるアルバムでした。ありがとうキスマイ!!