夢はうたかた

キスマイの音楽の話を好き勝手書いていた場所

BEYOND THE BORDERLINE!!―Kis-My-Ft2『FREE HUGS!』

 

皆様こんばんは!

「平成最後の~」みたいなのはこの1か月聞き飽きましたね!でも大丈夫です。今日が正真正銘最後の「平成」の日。そんな平成最後にふさわしいアルバム、Kis-My-Ft2『FREE HUGS!』について話をしようと思います。

最初にタイトルが発表になった時、「ふりーはぐ…そうか」と思ったのが正直なところでした。様々な目的意識があってのフリーハグ、理解はしますがどうも苦手で。でもね、「音楽でハグしよう」と言われたら、そりゃまあ聴きますよ。

…試聴が開始になって、あっさりこんなテンションになりました。単純か。

めちゃくちゃ音楽が楽しい!と思わせてくれるアルバムでした。とりあえず最初に結論を言うと「エイベックスの音楽通ってきた人は聞いてほしい」です。たぶん好きな曲が1曲は見つかるはずです。ジャニーズ知らなくても全然大丈夫。

形態は3種類ありまして、

初回A…リード曲「HUG&WALK」のMVとメイキング/ボーナストラック「Tequila!-テキーラ-」

FREE HUGS!(CD+DVD)(初回盤A)

FREE HUGS!(CD+DVD)(初回盤A)

 

(いぬかわいいねいぬ) 

初回B…キスマイTVというエンタメ企画/ボーナストラック「CHUDOKU」

FREE HUGS!(CD+DVD)(初回盤B)

FREE HUGS!(CD+DVD)(初回盤B)

 

 通常…メンバー全員のソロ曲

FREE HUGS!(CD2枚組)(通常盤)

FREE HUGS!(CD2枚組)(通常盤)

 

今回は全形態に共通のトラック15曲についての感想を書いておこうと思う。

特典のヤバさはおそらくたくさんの人が話していることだと思うのでお任せします(3形態同時購入でメンバーにハグしてもらえるVRキットを手に入れることができる、とか)。

特に音楽的な教養もないですが、どれだけこのアルバムが好きなのかについて独断と偏見でお話してしまうよ!!

01."8th"Overture

毎回アルバム冒頭に入る1分程度のインスト曲。めちゃめちゃオシャレ。ここだけ聞いて「アイドルのCD」と答える人いないでしょ?絶対レコード回転してる。

時たま後ろに聞こえる「ルラルララ」が何なのかはまたあとで。Mrs. GREEN APPLE大森元貴さんが作曲に関わっている。

02.HUG&WALK

踊れ~~~~~!!!!!これがリード曲になっていることでよくわかるのだが、これは「踊れるアルバム」だ。ここはコンサート会場ではなく、ライブハウスでもなく、ダンスフロア。クラブ。ゴリゴリのEDMだって思った。サビに歌詞がなく、そのフレーズが曲冒頭からバックでかかっているという…。2014年に大ヒットしたCalvin Harrisの「Summer」はあまりにも有名だけれど、このサビにボーカルがないという感じはEDMって感じがします。大音量でベース響かせて聴いてみよう!!!!!


Kis-My-Ft2 / 「HUG & WALK」 MUSIC VIDEO -short edition-

(サムネイルの天才的なお顔の青年は玉森裕太くん(29)です)

個人的にはこのゴリゴリビートがすごく「エイベックスの曲」って感じがして…ということで作曲者の方を調べてみたら安室ちゃんの「Do It For Love」を作っていた方だった。めちゃわかる。

03.A.D.D.I.C.T.

「さあほらDance Dance~」というサビ前の音が最高なんだ…聴いて…。泣かせてくる音…天才…。ここの音、私のK-POP通ってきた血が騒ぐんですけど皆さまどうでしょう?(理論的裏付け皆無)

サビに特徴があって、メロディアスではなくてビートを聴かせてくる感じ。しいて言うならキスマイの中だと「PSYCHO」が近いかな(と思って聴きなおしてみたけどPSYCHOは結構歌詞があったので違うかも)。

これもほとんどボーカル無しサビなのでやっぱりEDM感。2番の後のメロが素晴らしい。ここ「エイベックス!!!!」。

展開が結構忙しい曲ですが、楽しみポイントがたくさんあるので飽きない。ちなみに「アディクト」ではなく「エー・ディー・ディー・アイ・シー・ティー」と読む。

04.THIS CRAZY LOVE

最近のキスマイのアルバムに必ずあるR&Bオサレトラック枠。5th「Flamingo」→6th「One Kiss」→7th「蜃気楼」。これ好きな人はもれなくこの3曲も好きだと思うので、聴いたことない人は是非聴いてみてほしい。切ない感じ。

2番冒頭の天才ラッパー誰ですか?二階堂高嗣くんです。最近タカシの声のカッコよさとリズム感の良さを活かせる曲が増えてきて私は嬉しい。

作曲に大好きなFredrik"Figge"Boströmさんというスウェーデンの方が参加していて間違いない。キスマイだと「EXPLODE」「PICK IT UP」「We areキスマイ!」など。良すぎ。東方神起の「Clap!」も好きでした(エイべ)。

05.L.O.V.E.

シングル発売曲。この曲は発売のタイミングのせいか、カップリングのユニットソングの破壊力の強さか、何となく過小評価されている印象だけど…めちゃくちゃ好きな曲。去年の楽曲大賞にも投票した。

サビ前まではクールで、サビはカワイイ感じのサーカス風の雰囲気。しかし鼓動のように後ろで刻まれているビートは、曲中ずっと響いていて芯がぶれない~~~!!!!このアルバムの中に入ってどうなるだろう?と思ったけれど全然問題ないですね。ダンスミュージック~ラブソングゾーンのいい架け橋。怒涛の3連符が印象深い。

06.Saturday Life

こんなん「ザ・幸せ」じゃないの。どう考えても平和で。こんな楽しい幸せな週末の「柔らかい時間」を大切にしたいよね。何気ない日常が大切だったと思う…(ロード)という失って気が付く展開ではなく、日常の幸せを現在進行形で描いているタイプの幸せ曲。「予定のない週末 たまにはこんな夜もいいね」っていうそこそこ長い期間付き合っているのかなーという安心感もいい。

07.#1 Girl

歌いだしが玉森くんの曲。落ちサビも彼。彼女が大好きでたまらない曲って感じで終始幸せな感じ。このアルバムの中では比較的アイドルっぽいというか、ストレートでキュートな感じ。Saturday Lifeに比べるとまだまだ余裕はないな彼氏。どこか6th「One Kiss」にも似た雰囲気があると思っている。さて、2番を聴いてください。約束です。

08.君を大好きだ

シングル発売曲。作詞藤井フミヤ、編曲亀田誠治というえげつない曲。この曲と次はスーパー北山くんタイム。王道ロックバラード。私は斜に構えがちなので、最初は「王道か、ふーん」みたいに思っていた。でも、何度聴いても飽きないし、いい曲だなと思うし、耳に残る「名曲」だったと気が付くわけです。作曲のヨシダタクミさんは本当にすごい。キスマイの代表曲になる可能性がある曲。CDがバカ売れする時代だったらもっともっと有名になれた曲だと勝手に思っている。

09.僕ハ君ナシデ愛ヲ知レナイ

作曲HusiQ.K(北山くんの制作名義)の7人曲がついに…!

サビはキンキさんの曲のような、王道ジャニーズの要素も見え隠れする。ダンス曲メインのアルバム前半から、しっとり王道系音楽の中盤の核を担う歌謡曲テイストの一曲。もう歌いたいもん、「僕ハ~君ナシデ愛ヲ知レナイ~」と。キスマイの音楽のふり幅の大きさを感じます。90年代ラストくらいのイメージ。転調カッコいい!

10.Bring It On

はい大好き~~~~~大好きなJazzin' parkさんの手がけた曲。同じく彼らの手がけた「Luv sick」が好きな人はたぶん好き。冒頭ラップ部分もクールです。サビに向けてわくわくさせてくるというかテンションが上がっていく感じがいいです。今までのキスマイの「カッコイイ&ちょっとトンチキソング」が好きな人はもれなく全員好きなはず。私も初見ならぬ初聴の時に間違いなく好きだと確信しました。

11.Distance

まずは制作陣に抜群の信頼。作詞Komei Kobayashi氏と作曲Tommy Clint氏のタッグ(「Shake It Up」作ってた)。作曲/編曲のAtsushi Shimada氏もキスマイ曲ではおなじみ。強い曲で、ダークサイド。作曲陣は3曲目の「A.D.D.I.C.T.」と一緒…伝わりますよね…この"""強さ"""が…!!!!!

「Baby I love(need) you」の上ハモが天才。あと藤ヶ谷くんパートの「繋いでくれる~」の音運びが最高。歌詞を見て、「遠距離恋愛の曲のはずなのになんでこんな戦闘力高いんだ!?」とハッとする。

12.HUGTIME

ここで王道アイドルバラ―ドタイムか~~~…違う!?!?はい。今アルバム満を持して登場天才作詞家Ryohei Yamamoto氏の登場です…「THIS CRAZY LOVE」のところで言ったオサレ曲の枠でこれまで切なすぎる世界を提供してきた彼がここで登場。やっぱりオシャレだわ…。結構前向きな歌詞だけど、ただ明るくカラッと前向きじゃなくて、いろいろあったけど乗り越えて前や上を見ている感じがして好き。

13.Yeah E Yeah!!!!!!

冒頭の「Hey! What's up?~」だけでこのCD買ってよかったと思う。今アルバムで一番ザ・ボーイズグループっぽいなと思っている。SHINeeの「Boys Meets U」みたいな爽やかさというか。絶対なんか楽しそうに外ではしゃいでるグループのほほえましいMVありますよね?

14.君、僕。

シングル収録曲。ついに王道アイドルソング!かな。キラキラした可愛い曲。シングル発売時に本当にたくさんラジオで聴いたので思い出深い一曲に。音楽番組でのパフォーマンスも可愛い曲でした。サビの後ろの音がどこか鐘のようにも聞こえて、結婚式にも合うかもなと思ったり。

15.ルラルララ

冒頭のルラルララはこの伏線だったんですね~~Overtureにも関わってらした、ミセスの大森元貴さん提供曲。本編ラストにふさわしい、ライブのラスト感のある曲。合唱・吹奏楽などにも合う(実際吹奏楽コラボがあったけど)スケールの大きいメロディーと、なんともリアルな人間の揺れる思いが描かれた歌詞。この感じがすごくいい。おそらくたくさんの人に愛される曲になると思うんだ。1曲すべてを7人全員で歌っているので、合唱にも合うと感じたのだと思うけど、みんなで歌える曲を持っている強みはきっと今後に生きてくる。Mrs. GREEN APPLEの曲にはあまり詳しくないけど、爽やかでまっすぐで素敵な曲ばかりだった。そういう良さが活きている曲。

 

どうしても書きたい番外編

《初回Aボーナストラック》

16.Tequila!-テキーラ-

ブルーノマーズがきっかけなのでしょうか、近年のディスコ・ファンク路線のリバイバルブーム(大好き)でこういう曲調の曲が全体的に増えている。本当にありがとうって感じだったところに、キスマイでもついに来ましたよこれ。冒頭エイベックス通ってきた人は聴いてほしいと言いましたが、例えば三代目の「HAPPY」とか好きな人はコレ好きでは? 

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 今回のアルバムは「音楽でハグしよう」というコンセプトの元、様々なアーティストの方とのコラボが多く見られました。ここでは話していませんが、通常盤のソロ曲はそれぞれが豪華なアーティストとコラボ(ハグ)をしていて最高です。5th『I SCREAM』以来の全員のソロ曲(歓喜)ですが、あの時は完全初回限定盤というCDについていて、買わなければ聴くことができなかった。いろいろな人に聴いてほしかったので、「なぜ通常盤じゃないんだ」と歯がゆい思いをしました。買わなきゃ聴けなかったから買って、そこから私の購買活動に拍車がかかったのは事実ですが。

でも、今回は通常盤。もう少し経てばおそらくソロ曲もレンタルでも聴けるようになるはずですから、買うのはちょっとなぁと思う方にもぜひ手に取ってみてほしいですね。

SHAREING LOVE, BEYOND THE BORDERLINE, WITH OUR MUSIC!」というのが一つのキーフレーズになっていて、ジャンルやボーダーラインを超えて繋がろうという言葉が大切にされています。もともと「アイドルの曲を聴く」ということに関心がなかった自分が、音楽の良さからじわじわとキスマイのファンになり今に至るのですが、「アイドルっぽくない」曲だからとか、「好きなこのジャンルの曲に共通する要素があって」とか、結構ジャンル分けしてきた気がします。それが悪いというのではなく(今回もそんなのばっかり)ジャンルやボーダーラインを超えて「好きなものは好き」と共有できるのもいいことだな、と感じさせてくれたアルバムなのだなーという感想。

そんな話をした後にどうなの?って感じですけど、冒頭の「エイベックス感」伝わりましたでしょうか?平成の音楽シーンにはいつもエイベックスがいたと思っています。それが好きだった人、そうじゃない曲が好きだった人、いろいろいるのは当然ですが、やっぱりヒットしたアーティストの名前を見るとなるほどね、と思うわけです。

今回アルバムを手に入れるまでに結構時間がかかってしまい(それほどじゃないんだけど、なんとなくみんなの動きにつられて焦る)十分に聞き込めていない。たぶん、もっともっと味わえるし、もっともっと好きなところを見つけていけるアルバムだと思っています。コスパのいい人間なので、いろんな角度から楽しみます。

平成最後のアルバムチャート1位獲得おめでとう。音楽の受け取り方が変わり、CDがすべてではなくなった時代。CDの売り上げが今どれだけの力を持つ指標なのかはわからないけど、でもすごいことはすごいじゃん。ダウンロード、それからサブスクリプションが主流となっている中で尚、CDで音楽を提供するというスタイルは面白いと思っています。時代を超えて、BORDERLINEを超えて、長く愛される作品になりますように。