読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

白球を追う音の葉

野球音楽オタク横尾渉風味

ミスター。


ミスターといったら誰を思い浮かべるだろうか。
やはり、巨人軍終身名誉監督長嶋茂雄氏だろう。

ではミスターファイターズはどうだろう。

そう。
田中幸雄選手である。
現在はファイターズの2軍監督を務めている48歳。
同じ時期に田中幸雄投手が在籍したことから、表記は「田中雄」愛称は「コユキ」だった。

何故いきなり田中幸雄という選手について書くことにしたのか。
何を隠そう、それはツイッターのタグ、
#最初に好きになった野球選手
がトレンド入りしていたからだ。

私が最初に好きになった野球選手は、田中幸雄選手だ。

私が初めて野球を見たのは、確か2006年のプレーオフだったように思う。
田中幸雄選手(以下、幸雄さん)の引退は2007年。
ほとんどリアルタイムで応援していない。しかもほとんどスタメンとしては出場していない。
こんな言い方は良くないが、稲葉篤紀森本稀哲ダルビッシュ有など華のある選手はたくさんいたのだ。
まだまだ野球に詳しくなく、幼かった私が、初観戦の後に気に入った選手としてあげるには渋すぎる。
しかし、彼が、彼こそが私を野球の世界に引き込んだのだ。

選手名鑑を読み漁り、初出場が南海ホークス戦(後楽園球場)、そこで本塁打を放っていること。都城高出身であること。
ほんのわずかな情報しかなかったが、必死でノートに書き留めた。
こんなことでもいい。知らない過去を埋めたい。幸雄さんの凄さをもっと知りたい。その一心でだ。

そして2007年5月、2000本安打達成の瞬間が訪れる。
それは東京ドームだった。



幸雄さんはきっとこの三連戦で、東京ドームで達成する。


そう思った私は観戦を熱望した。

しかし、それは叶わなかった。
ひどく落胆したが、テレビの前で身を乗り出して、打席を見届けた。


三連戦の最終日、予想通り幸雄さんは決めた。


驕りもせず高ぶりもせず、謙虚に、どこか恥ずかしそうにボードをかがげる彼は、誰よりも輝いていた。


これが彼の魅力だ。


私を惹きつけたのは、派手なプレーでも、上手なしゃべりでもない。
背中で語る謙虚な姿。
2000本安打達成の偉大な選手なのに、変な圧力のないところ。
しかし、ピリッとした芯のあるところ。
彼はちゃんと野球を見ていたのだろう。そして私が想像もできないほどに野球が好きな人なのだろう。
それが伝わって。私は野球の虜になったのだ。

そのときのプロ野球チップスのカードは私の宝物である(普通にチップス買って当てたのも嬉しかった)。

その後私は自身も野球をするようになり、テレビの前でスコアをつけたり、球場に行ったりするようになった。
それから約10年が経ち、今もファイターズを応援している。
全ては幸雄さんに出会ったから。
ずっと変わらない、謙虚な姿勢が輝いていたから。


行くぞ幸雄ホームラン
センターオーバーホームラン
弾丸ライナーだ!
飛ばせ運べ幸雄

欲を言えば、幸雄さんのホームランをこの目で球場で見たかった。
もっと早く出会えていればよかった。
でもそんなこと、きっと意味はないんだ。

本当にありがとうございました。
ずっとずっと憧れの選手です。
今度は、鎌ヶ谷でお会いしましょう。